GLA40周年記念書写行を開始したのは2008/11/31でした。しかし果たして、千日という長い期間、行を続けることができるのだろうかという不安を抱いてのスタートでした。
これまでを振り返っても、意識して千日行に挑戦したことはありませんでした。
しかも、始めた頃は一回書写するのに15分近く時間がかかりました。下記画像は、2回目の書写行です。
しかし、これだけの行を先生が準備して下さったのだから、きっと深い意味があるに違いないと思い、志を立てて挑戦を始めました。
12の菩提心は、菩提心という言葉が説かれる前から、GLAの四聖日の一つである新年の集いでいただく神理カードに書かれていたのですが、かつては非常に浅い受け止め方をしていました。
たとえば、「月」のカードですが
「月のごとき陰徳の心を育みます。忍土の闇を密やかに照らし続けることができますように」
と書かれています。そこで、陰徳の心なのでみんなが嫌がる下支えをやっていればいいのかな?といった受け止め方をしていました。
しかし、「月」のカードが3年連続で来たときには、もう陰徳はやりたくないとうんざりしていました。
また、「山」のカードですが、
「山のごとき安らぎの心を育みます。いかなる苦難や試練にも揺らぐことがありませんように」
と書かれています。これも、山を頂く年は試練が多いので、運が悪いといった表面的な受け止め方をしていました。
しかし、毎日書写行を続ける中で、12の菩提心一つ一つが抱く力と、その深い心が100回の書写を通して徐々に深まっていきました。
そして、1200回の書写を通して、どの菩提心もかけがえがなく、計り知れない力を抱いていることが感じられるようになりました。
具体的には、私の場合は以下の順番で取り組みました。
1 大地 ~2009/3/9
2 川 ~2009/6/17
3 山 ~2009/9/25
4 観音 ~2010/1/3
5 月 ~2010/4/13
6 風 ~2010/7/22
7 泉 ~2010/10/30
8 海 ~2011/2/7
9 稲穂 ~2011/5/18
10火 ~2011/8/26
11空 ~2011/12/13
12太陽 ~2012/4/10
人によっては、同じ菩提心を何度も取り組む人もいらっしゃいますが、私は、全ての菩提心に取り組んでみることにしました。
不思議なことに、具体的な試練としてもその菩提心を深めないと超えられないテーマが、書写行と呼応するようにやってきました。
例えば800日から900日までは「稲穂の心」、1000日までは「火の心」、1100日までは「空の心」の順番で取り組みましたが、稲穂の期間は、かつて他部署のIさんとぶつかって中止となったプロジェクトに再度挑戦する期間となりました。
稲穂の心に取り組んでいると、
「一切の出会いに感謝できる心を育みます。実るほどに頭を垂れる黄金の稲穂のごとく」
と自然と相手を敬う心が出てきました。その結果、ほとんどIさんとぶつかることがなくなり、プロジェクトを5年越しに成功させることができました。
しかし、稲穂の心に慣れが生じてくると、頭を垂れるばかりで率直な関わりができなくなっていきました。
そこで、次の「火」の心になると、
「火のごとき熱き心を育みます。現在にいのちを込めて、人生の仕事を果たすことができますように」
という心を念じ続け、相手との関わりを大切にすることより、自分の願いに重心を置いて率直に語るように変わりました。
その結果、どんどんプロジェクトが進み、多くの皆さんを巻き込んで拡大していきました。
しかし、「火の心」に慣れが生じると、自分の側からのエネルギーが強くなりすぎて、主張が強くなるために衝突が生まれていきました。
すると、今後は「空の心」で、
「空のごとき自由無碍な心を育みます。なにごとにもとらわれず、無心に生きることができますように」
と、とらわれなき自由な心によって、様々な対立を超えて大きな願いで全体をつないでいきました。
一つの菩提心には闇の心を浄化する、悪因切断の菩提心と、光の心を引き出す、善因開墾の菩提心という二つの側面があり、それぞれ煩悩地図の四つの煩悩と対応しています。
こうして改めて振り返ると、悪因切断と善因開墾が100日ごとに切り替わり、そのたびに煩悩は浄化され、光の心が引き出されて、次から次へとステージが変わっていきました。
そして、12の菩提心全てを終えたときに頂いた心と現実は、4年前には想像もできなかった光転の果報を頂きました。
私はある教育関連のプロジェクトを8年ほどやってきたのですが、元々教育関連の業務自体が会社にほとんどなく、大企業の中でその重要性を説いても理解者はおらず孤立状態にありました。
しかも、カリキュラム自体は基礎的な部分だけでも70時間近くかかり、全部終えようとすると200時間以上かかり、忙しい開発の部署で簡単に導入できるものでもありませんでした。
しかし、今では、私のやってきたプロジェクトが約70名の設計の部署全体に適用され、更に200名ほどにも適用されることになりました。
マネージャーからはこの分野のエキスパートとして認知され、私たちの部署の切り札として使ってもらえることになりました。
更に、海外の研究所や、隣の研究所からも使わせて欲しいと依頼が来て、開発の最も初期段階の領域の技術構築を依頼されるようになりました。
また、それほどの光転を頂いても浮き足立つことなく、条件として受けとめ、いかなる試練が訪れようとも、菩提心によって転換していける心の安定と使命に托身する思いを引き出して頂きました。
そして、千日行を続ける間に、書写行は自分のライフスタイルとしてなくてはならないものとなりました。
先日の善友の集いで、会員からの要望に応えて新しい書写行セットが発売されましたが、早速私も次の千日行を起動しました。
GLAでの行や研鑽を通して頂く功徳は、あまりにも自然にいただけるので、この記事に取り組むまで頂いた功徳の大きさに気づけませんでしたが、改めて大転換を頂いた期間であったことに気づきました。
全国のGLAでは1万4千名以上の方々がこの書写行に取り組まれ、会員サイトには菩提心の書写行によってもたらされた様々な功徳が毎週数名アップされ、その数も500件を超えていました。
最近の実践報告者は、NHKのドキュメンタリー番組に出演される方も多いのですが、それだけ社会に影響のある実践が増えているということであり、それも菩提心発掘の歩みとは別ではないのではないかと思いました。
高橋先生に導いて頂いている菩提心発掘の歩みは、やがて時代を変え、世界を変えていく潮流を生み出していく希望と確信が深まりました。