闘う天使-ジャンヌダルク 神への托身によって団体戦を勝利に導く神理実践

「二千年の祈り」に出てくる3人目の先人は、ジャンヌダルクです

Jeanne-d'Arc

文字も書けず、剣も扱えない一人の17歳の少女が、連戦連敗のフランス軍を再生し、イギリスの侵略からフランスを守ったのですが、本当にそんなことできるんだろうか?と思うような奇跡の人です。

1999年にリュックベッソン監督の映画が公開されましたが、無神論の視点で書かれており、ジャンヌダルクの魂の深みにはほとんど触れておらず、期待とは裏腹に人間不信が深まる残念な内容でした。

しかし、高橋先生が書かれたジャンヌダルクは、神の声に従って純粋に信仰に生きたジャンヌダルクであり、その輝きは時代を超えて魂に響き、様々な智慧を学ぶことができます。

物語は、異端裁判によって自らの信仰を否定されるという試練にあって、それでも神に托身し火刑によって壮絶な最期を遂げるシーンからはじまります。

ジャンヌダルクが生きた時代は、百年戦争と呼ばれる中世の末期であり、フランスはいつイギリス軍に侵略されるか分からない緊張状態にありました。ジャンヌは村の人々が抱えることになる危機を誰よりも痛切に感じ、村の人々のために神に祈り続けていたところで大天使ミカエルが現れます。

ミカエルにフランス国王を助けに行きなさいと促され、ジャンヌは「私はただの娘にすぎません。馬に乗ることも、兵士たちを指揮することも到底できるとは思えません」と、あまりの使命の重さにはじめは当惑します。

ミカエルはフランスの悲惨な状況を説明し、具体的にボードリクール守備隊長に会い、そこから王の所に連れて行ってもらうようにと、詳細に道を示されます。

ジャンヌはミカエルに托された使命の重大さを引き受け、家族に反対されながらも、これまでの生活の一切を捨てて、自らの使命に応えて生き始めます。

はじめは、ジャンヌを魔女じゃないかと疑う人や、意地悪をしようとする兵士もいるのですが、あまりにも純粋に、切実にフランスの苦難を思い、神の言葉に応えようとするジャンヌに触れて、一人一人は自らの信仰を確かにし、ジャンヌと一緒に戦う同志となっていきました。

そして、ジャンヌは旗印を掲げ、自ら先頭に立って戦い、奇跡のような勝利をもたらし続けました。

しかし、どうしてジャンヌの登場によって、フランス軍は勝てるようになったんでしょうか・・・。

その背景として、当時のフランスは二つの大きな問題がありました。

一つは時代遅れな戦い方による戦力低下です。フランス軍の隊長達は、古い陋習にとらわれ、騎士道に則って自らの武勲と財宝を手にするために戦っていました。個人戦で戦うフランスに対して、イギリス軍は軍紀に従って、一糸乱れずに矢を放ち、団体戦によって勝利を収めていました。

もう一つは、フランスの内乱です。フランス諸侯の中には、明らかにイギリス側に立って、自らの直轄領の取り消しを進言する人もいました。

このようなバラバラなフランス軍にあって、神という絶対的な権威によって皆の心を一つにし、祖国の誇りと平和を取り戻すためにジャンヌは闘いました。その結果、フランス軍は本来の力を発揮できるようになり、奇跡的な逆転を果たしていきました。

また、フランスという国家の概念が生まれたのも、ジャンヌダルクの活躍によってであるといわれています。

ジャンヌは奇跡的な逆転勝利によってイギリスに勝ち、シャルルを戴冠式へと導きフランス国王とします。

しかし、フランスの勝利の象徴となったジャンヌは、その後、様々な策謀にはめられてイギリス軍にとらえられ、異端審問にかけられていきます。劣悪な環境の中、ジャンヌを陥れるための様々に狡知に長けた質問をされるのですが、ジャンヌは智慧深く答え、罠にかかることなく、逆に信仰の深みを語ることによって、敵方の判事が思わず賞賛の声をあげるようなシーンもあります。

ここまで、様々な矛盾や国と国の軋轢という巨大な問題に対しても、純粋に信仰に生き、神の言葉に従うことで道をつけることができるのかと、本当に圧倒されるような思いになります。

今回、ジャンヌダルクの反芻を重ねながら、会社内の大きなリサーチプロジェクトを、お二人の大先輩と一緒にさせてもらいました。それまで、他部門と関わるようなプロジェクトにおいて、私は何度も失敗してきました。

問題の原因を探っていると、どうしても他部門の担当者への不満がわいてきて、その心で関わると、いつの間にか関わりがねじれ、結果としてプロジェクトが途中頓挫することを繰り返していました。

しかし、今回は先輩が部署間の利害や過去の歴史、そして力関係という微妙な心理を考慮して、必要な調整はほとんどやってくださり、プロジェクトをスムーズに進められました。

大きい組織で仕事を進めるにはここまで配慮が必要なのかと、難易度の高さを理解するのと同時に、その試練を超えていく智慧を伝承してもらいました。

ジャンヌが複雑な国と国の軋轢や、諸侯の争いなど、もっと複雑な力関係の中で、若干十代で道を開いていく姿にも触れ続ける中で、何度も砕かれるような思いになったのですが、ジャンヌダルクからもこの期間、智慧を伝承していただいたんだと思います。

また、もう一つの呼びかけとして、会社のリサーチプロジェクトを通して、現在の会社が抱える問題が、かつての個人主義のフランス軍と重なって見えてきました。

世界は様々な技術的な進化が特にITの領域で加速しており、その変化をどのように戦略的に取り入れて、団体戦として会社が競争力をつけるのかが勝負の分かれ目になっているのですが、そのような変化に非常に疎くなっています。

実際に、経済産業省のレポートにおいて、日本のITへの投資意欲は、調査国中で最下位になっていることが報告されています。日本の企業が世界の進化の流れから取り残されつつある、まさに国難の中にある危機を感じます。

IT経営ロードマップ

私は大企業の一社員としてそのように感じていますが、日本のあらゆる分野で同じような問題が起きていると思います。

そういう意味では、団体戦を勝利に導く、21世紀のジャンヌダルクの登場が求められています。

GLAで研鑽し、魂の発見を果たすことによって、一人一人は神との約束、自分の魂の願いを思い出していかれます。

その願いは、日本再生という共通の志、そして様々な共同体の再生という個人の願いへとつながっているように感じます。

ジャンヌダルクが試練を超えて新しい時代の意識を呼び込んだように、21世紀、魂文明創造への挑戦は、GLAで研鑽する一人一人によって広がっていくと確信しています。

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